発達支援について

問題を探すのではなく、強みを伸ばす

発達障害あるいはグレーゾーンにあるといわれる子どもに対する支援は、保育・教育現場における喫緊の課題です。成長が著しい0歳から5歳の時期、子どもの持って生まれた力を大きく伸ばすためには、個々の特性を理解し、適切な配慮をもって関わる必要があります。特に、その子の「いいところ、強み」に着目し、そこを伸ばしていくことが何より重要です。そのような環境を保障すべく、社会福祉法人美樹和会では、臨床心理士(心理職)2名、言語聴覚士(リハビリ職)1名が支援活動に携わっています。法人に心理職・リハビリ職が常駐する保育園は非常に珍しいですが、実はこうした他分野の専門の人材と保育士とが協力することで、保育の質が飛躍的に向上するのです。

心理・リハビリ職の紹介

心理・リハビリ職は、社会福祉法人美樹和会の運営する各施設を日々巡回。すべての子どもたちが安心して過ごせるような環境設定や関わり方を保育士とともに話し合い、保育の充実化を図っています。保護者の方からのご希望に応じ、発達のご相談を受けたり、お子様の発達検査を行うこともできます。

心理職 臨床心理士・公認心理師 藤原 朝洋

これまでの経験とみぎわでの活動

私はこれまで大学で臨床心理学の研究をしながら、障害者の支援や障害のある児童の療育を担当してきました。ですが、専門機関に相談や療育に来るのは困っている子ども全体のごく一部です。障害の有無にかかわらず、より多くの子ども達に対して、これまでの学びや経験を活かしたいという想いからみぎわで働くことにしました。

どんな仕事をするの?

保育士でも、保護者の方でも、子どもをみていて「なんとなく気になる」という感覚を持つことがあるかと思います。心理士の役割として、子どもの様子を観察して「なんとなく」を明確にして伝えることが大切だと思っています。子どもが「どんな時に」「どんな人に」「どんな風に」「どんなこと」をするのか、それが発達段階の中で、自然なことなのか、それとも専門的な支援が必要となるのか、そういったことを臨床心理学に基づいて、保護者の方や保育士に伝えていきます。

みぎわで感じたこと

子どもは成長するということを保育現場に身を置くと肌で感じます。昨日できなかったことができるようになる。当たり前のことに感動する自分がいます。大学での学生支援を経験しているからこそ、その成長の先に大人となった子どもたちを想像します。子どもの成長はまっすぐではありません。時に遠回りをすることや、問題を起こすことが、子どもの生涯という長期の視点で見ると大切なこともあります。問題を起こさないようにするのではなく、問題を起こしたことが成長の機会なるように子どもと関わり、またその大切さを保護者の方とも共有できればと思います。

心理職 臨床心理士・公認心理士 吉田 かける

心理職の専門性をどうやって保育に活かすの?

臨床心理学の観点から子どもの様子を観察するだけでなく、実際に関わっていきます。そのときの様子を発達段階や対人関係に関する理論を用いて分析し、保育士とともに子どもに関わる際の工夫を考えていきます。

子ども、保護者にとって、または同僚の保育士にとって、どのような存在でありたいの?

子どもにとっては、「保育園の先生とはまた別の、優しそうな大人」、保護者にとっては「困ったとき、お迎えの時間でも気軽に相談できる人」、保育士にとっては「子どもや保護者との関わりのなか、心理に関することで一緒に動いてくれる仲間」を目指しています。

これまで児童相談所や精神保健福祉センターで相談員をしていたこと。その当時と今とのつながり。

児童相談所では、一時保護所での虐待対応、発達相談や療育手帳に必要な発達検査において、保護者への聞き取りや療育手帳および福祉サービスの相談と説明をしていました。

精神保健福祉センターでは、うつ病などの精神疾患の方や家族に対しての相談と福祉サービスの説明、精神保健福祉手帳の審査補助、特に10~30歳代の自殺対策に力を入れ、電話相談や自殺予防の啓発、ゲートキーパー(自殺を考えている人を止める身近な人)の養成研修を行っていました。

これらの経験から、子どもとの関わりや保護者の方とのカウンセリングにおいて「何に困っていらっしゃるのか?」「どのような解決を願っておられるのか?」を考え、困り事の解決に必要な方法や専門機関等の情報提供を行っています。

リハビリ職 言語聴覚士・保育士 塩谷 晴代

リハビリ職としての専門性をどうやって保育に活かすの?

手先の不器用さがあったり、コミュニケーションが苦手だったり、ことばがなかなか出なかったりと、子どもたちの困り感は様々です。それらが集団の中で埋もれてしまわないよう、継続的に日々関わっていくことが大切です。言語聴覚士が園内で活動するメリットは、この日々の積み重ねをより密に行えることです。

なぜ保育園で活動するの?

各施設を巡回し、生活やあそびの場面における子どもたちの様子を見ます。困り感のある子どもに対しては、一人ひとりが安心して充実した時間を過ごせるよう、保育士の先生方と望ましい環境設定や関わり方などについて意見交換をしたり、自由遊びの時間などを利用して子どもと個別の関わりをすることもあります。一人ひとりの個性や強みを伸ばしていけるような関わりを意識しています。

子どもたちとどんなことをするの?

ことばカードや指先を使うおもちゃなど、その子どもの興味関心がある課題を探し、一緒に遊びます。
療育機関でするような遊びを普段の自由遊びの中に取り入れています。誰もが一緒に遊べるものですが、特に困り感のある子どもたちと関わるときには、ねらいを意識して遊びます。

心掛けていることは?

私を見たときに、「一緒に遊びたい」と思ってもらえるような関係を築くために、一人ひとりと日々のコミュニケーションをしっかりとることを心掛けています。また、子どもたちの「やりたい!遊びたい!」という気持ちが湧くような遊びを工夫していきたいと思っています。

発達支援遊具が充実した学童室内

朱雀みぎわ学童保育所の3階には、子どもたちが室内でもめいっぱい体を使って遊びこめる遊具が配置されます。日常生活にはない、またぐ、くぐる、よじ登るなどのいろいろな動きを体験することで、子どもたちはさまざまな感覚刺激を得て、発達が促進されていきます。
たとえば壁に設置するクライミング用の遊具では、高いところまで登る動きをとるなかで手や足をどう動かすかを常に意識し、ボディイメージの発達を促すとともに、考える力も養われます。天井から吊り下げているスウィングでは、加速や揺れ、回転などを体感するなかで、揺れても落ちないように全身の筋肉を使って体の位置を調整します。そのことが体幹を発達させたり、姿勢保持の力を育むのです。
遊具の種類は定期的に入れ替え、子どもたちにとって飽きのこないような、常に新しいチャレンジをできるような環境を整えます。

※遊具は発達支援遊具の取り扱いを専門とする株式会社アネビーの協力を得て、設置します。

幼稚園・保育園・商業施設の遊具・遊び場のデザイン設計のアネビーHP

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